「リクハラ」の現状と改善点 私たちに出来ることとは?
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充実した生活をするため、夢を実現するために就職活動が行われます。
企業側は良い人材を確保するために人を見る目が必要とされていますが、いきすぎた行為によって就活生が追い詰められるケースも増えているのです。

企業によるハラスメント行為でもある「リクハラ」は社会問題にもなっています。
過去にはある事件も起きているので、企業側はより注意をして人材採用に臨まなければ企業の評判にも悪影響を及ぼすことになるでしょう。

リクハラとはどういった行為のことを言うのか、企業側の対策や就活生側の対策方法について解説していきましょう。

リクハラとは?過去にはある事件も…

社会問題にもなっているリクハラは、就活生に対するハラスメント行為とされ、「リクルートハラスメント」の略語となっています。
ここ数年で注目されるようになったハラスメントのひとつで、過去には事件も起こっているのです。

リクハラの特徴としては、就職活動のために面接に来ている学生に対して攻撃的な行動や言動をする行為などが含まれます。
就職活動をしている学生に対して他社に対する就職活動を早く終わらせなさいと迫る「就活終われハラスメント」のオワハラもリクハラと同じように、就活生に対するハラスメントです。

過去には、大手ゼネコン大林組の男性社員がリクハラによって逮捕されたケースもあります。
OB訪問で出会った女子大生に対して、面接指導を行うなどと言って自宅に誘い、わいせつな行為をしたのです。

これは、就活マッチングアプリを通じて行われた事件で、OB・OG訪問用のマッチングアプリ内で被害者となる女子学生と就活相談に乗るボランティアユーザーとして登録していた社員が知り合い、事件が起こってしまったのです。

この他にも、住友商事の社員が同じようにOB訪問のために訪れた女子大生に対して性的暴行をしたとして逮捕されています。

パナソニック子会社のパナソニック産機システムズでは、内定者向けの交流サイト上で内定者に向けて人事課長が攻撃的な言動を繰り返したことで、追い詰められた男子学生が自殺した事件もありました。

こうしたリクハラが増えてしまえば、企業側にも悪影響を及ぼすことになるでしょう。
そして、就活生側もリクハラについて理解しておかなければ、就活で躓くことが多くなるかもしれません。

リクハラ・オワハラの手口

上記のように、わいせつ行為といった性的被害やパワハラといった行為を就活生に行うことをリクハラと言いますが、この他にもリクハラやオワハラの手口は複数あります。

そのパターンをいくつか見ていきましょう。

【他の企業でもらった内定を無理に辞退させる】

就活では、複数の企業に対して応募することは一般的なことですが、なかには「他社の内定を辞退してください。」と面接時に促してくる企業も存在するのです。

良い人材を確保したい強い気持ちの表れによって起こる行為ですが、企業側が就活生に対して就活を無理に終了させることはできません。

【内定を辞退させようとすると高圧的な態度になる】

就職する企業を慎重に選びたい学生は多いでしょう。
これまでの就活で内定をもらった企業があったとしても、それぞれの理由によって辞退することがあるかもしれません。

その際に、「ふざけるな」「辞退するなら最初から来るな」「今後あなたの学校からは採用しない」などと脅すような言葉を投げかけてくる人もいるのです。

【面接の日を先延ばしにする】

企業によっては面接の回数が多いケースもあります。
学生側にとっては就職したい企業であれば段階を踏んでいくことで、より緊張感が増すことになりますが、あまりに面接が多いとなると企業側が他社を受けにくくするように策を練っている可能性もあります。

次回の面接までの日数が長い、急に面接の日を変えて先延ばしにする行為を何度もするなど、こうした企業には注意しましょう。

【書類へのサインを求められる】

面接選考時にサインを求められるケースもあります。
書類の内容としては、「実質入社を確約する」といった内容です。

確約とあるので内定をもらおうと必死になっている学生にとっては嬉しいことでもありますが、「他の企業の面接に行きにくい」「辞退しないと申し訳ない」といった気持ちになり、就活が強制的に終了となってしまうこともあるのです。

対策方法

上記のようなリクハラやオワハラは実際に起こっていることです。
周囲に相談できずに思い悩んでしまう学生もいるでしょう。
企業側もこうしたハラスメント行為を続けていれば、就活生からの評判が悪くなり入社する人材を確保できない可能性もあるのです。

トラブルを引き起こさないためにも、企業側と就活生側に分けて対策方法をご紹介していきます。

【企業側】

企業側の対策方法としては、やはりリクハラやオワハラについてを採用担当者に対して教育することが肝心です。
担当者のなかには、自分が行っている行動や言動がハラスメント行為に当てはまらないと考えている人も多いです。
学生側に訴えられてから気が付く人もいるため、しっかりとした教育が必要になるでしょう。

三井物産では「オワハラ相談ホットライン」というシステムを設けています。
採用候補者に対して人材開発室長がホットラインがあることを就活生に教えて、何かあれば相談するよう促しているのです。

これまでに事件が起こった住友商事では就活生との飲酒が禁止になった他、面談の日時を限定するといった対応措置を発表しています。

パナソニック産機システムズでも、内定者向けに相談者窓口を設置するなど、対策をとっています。
こうした対策を行う企業が増えることで就活生側は安心して活動を続けられるでしょう。

【就活生側】

就活生側の対策方法としては、リクハラやオワハラがある可能性があることをあらかじめ把握しておくことが必要となります。
全ての企業がリクハラをするわけではありませんが、大手企業であっても担当者によってはリクハラをしてくる可能性があります。

高圧的な態度を取られた時の対処法やセクハラ行為をされた時の対処法、こうした行為をされないための策などをあらかじめ考えておき、万が一リクハラが起こった時でもすぐに次の企業の面接に進めるよう、自分自身で考えておきましょう。

そのためにも、就職活動におけるマナーを理解しておくことは大切です。
入社する意思のない時には早めに辞退の連絡をする、メールではなく電話で内定の辞退をするなど、マナーをしっかりと守って活動をしていきましょう。

また、信頼できる人に相談をすることも大切です。
リクハラやオワハラがしつこい時、就職活動の悩みがある時など、友人や家族だけではなく大学の就職相談窓口に相談するなどして対応方法についてアドバイスをもらいましょう。

就職活動を行っている学生に向けてのハラスメント行為は実際に起こっていることで、逮捕者が出ているケースもあります。
企業側は良い人材を確保するためにもハラスメントについて、しっかりと理解することが肝心です。
就活生側は、リクハラやオワハラをされたことで「どうして」と不安な気持ちになるでしょう。

新卒での就職活動は人生で1回だけです。
リクハラをされたことで就職活動を終了してしまえば、後悔することになるでしょう。

リクハラやオワハラをかけてくる企業は、「入社をしても問題が起きる可能性がある」と思い切って割り切ることもひとつの策です。
後悔しない就職活動をしてください。