「好き」だけで飯は食えない、マンガ家という職業のリアル
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子どものなりたい職業ランキングにも挙がるマンガ家は実はとても大変な仕事であるという事実を知らない人が多くいます。

単に「好きだから」というだけではなく続けることができないとされるマンガ家は、一体どのようにしてマンガ家としての道を歩むことになり、どのような苦労が待っているのでしょうか?

今回は、マンガ家という職業のリアルをいくつかご紹介していきましょう。マンガ家志望の人もそうでない人もぜひご覧になってください。

そもそもマンガになるためにはどうすれば良いの?

 プロマンガ家として出版社が発行するマンガ雑誌に載るためには、どのマンガ家も編集者に選ばれなくてはなりません。多くのマンガ雑誌はマンガ賞を設けており、プロマンガ家になりたい人は自分が描いた作品を送って、編集者やプロマンガ家から選ばれる必要があります。

そして無事選ばれたマンガは、マンガ賞を受賞することでプロデビューを果たせるようになっているのです。しかし、その道はとても厳しいものとなっています。

マンガは1月に100本~200本ほどのマンガが送られてきますが、デビュー該当作なしという月もよくあるのです。マンガ賞は3~4ヶ月に1人がデビューできる割合であることが多く、多くのマンガ家志望者はこの場面で挫けて夢を諦めてしまう人が多くいます。

デビュー直後も厳しい現実が

実際にマンガ家としてデビューをしても苦労は待っています。100人以上という厳しい倍率を乗り越え、華々しいデビューを飾るもプロマンガとして軌道に乗るにはかなり時間がかかるものです。

新人は最初にマンガを何作か描かせられます。それはマンガ雑誌に載せられるような作品を描けるかどうかの最終テストでもあります。この時、作者に成長が見られるようであれば、続けて連載してもらえるようになるのです。

そして描いた作品を読者アンケートにて数字を多く集めることで連載のネームを編集者に切ってもらうことができ、プロマンガ家として活躍できるようになります。このように厳しい話ではありますが、編集者もマンガ雑誌の売り上げを気にする以上仕方のないことではあります。

そしてこの編集者とマンガ家との付き合いが非常に重要で、時にはぶつかり合う日も来てしまうのです。

 マンガ家は編集者との良好な人間関係が必要

マンガというのはきちんとした話の流れを作るために編集者との打ち合わせが必要になってきます。雑誌に掲載するマンガとなればその雑誌に合ったテーマの内容や作品が必要です。マンガの11作が場違いなものにならないように編集者がいるのです。

編集者は連載がしっかりと実現できるように、マンガ家と打ち合わせを行い、制作を進めていきます。ただ最初はこれがかなり苦痛に感じる人が多いと言われています。編集者とのやり取りに慣れていないことに加え、本来描きたかった作品にならないこともあるでしょう。

「こんな作品描きたいはずじゃなかったのに。」と悩まされる人も多くいます。

しかし、マンガ雑誌に掲載する以上他の作品と内容が被っていては作品としての価値は低くなってしまいますし、無名の新人であることのハンデもプラスされることで、なかなか人気を高めることが難しくなります。そんな事態を防ぐために存在する編集者も、忙しいが故に時には作者に対して横暴な態度を取る人もいるとのことです。

打ち合わせでは大まかな話の流れしか決めていかないので、マンガを描いている最中で話が変わってくることもよくあるとのことですが、これがトラブルを招く原因にもなっています。さらには期限に間に合うように提出しなければいけないので、かなり厳しい世界だと感じるでしょう。

不慣れな環境にプラスして編集者との意見を食い違うようにしてはいけないというプレッシャーが、マンガ家の仕事は厳しいを言われる現実です。

マンガ家は一日何時間働く仕事なのか?

続いてはマンガ家の厳しい労働時間にも触れていきましょう。マンガ家というのは平均労働時間10時間以上という過酷な仕事です。

ストーリーや構成に悩むようであればさらに労働時間は伸びてしまいます。そのため、食事や睡眠、入浴時以外はすべてマンガを描いているという人も珍しくありません。

食事や入浴時もマンガのことで頭がいっぱいになっている人も多々います。故に毎日がマンガばかりになりノイローゼになってしまう人も多いのです。

しかしマンガ家は、人気作家となればアシスタントを雇うこともできます。アシスタントと協力してマンガを仕上げていくことができるため、負担を分担することが可能です。

アシスタントとのコミュニケーションも重要

マンガ家志望の方はマンガを描くことが好きな人というだけではなく、1人で没頭できる仕事だから気になると考える人もいることでしょう。しかしマンガ家は売れれば売れるほどたくさんの仕事が舞い込み、1人ではできないものになっていきます。

アシスタントを雇うとなると、アシスタント1人ひとりの給料の管理もしなければなりません。それに加えてチームワークの向上のためにコミュニケーションを行うなど、本来やらないと思っていたこともしなければいけないのです。

マンガ家は編集者だけではなくアシスタントのコミュニケーションも取らなければ良い作品が完成しません。こうしたスタッフとの関係をどのように築いていくかもマンガ家には求められるのです。

不調を感じてしまう仕事

マンガ家の多くは丸一日机と向き合っていることが多いため、運動不足になる人が多々います。中でも自宅を職場にしているという作家は仕事場まで出歩く機会もないため、より運動量を減らしてしまいます。

それ故に健康的な影響を感じる人がたくさんいます。中には座りっぱなしということで、痔になる人も。

極限まで仕事を頑張らなければいけない時期は、1日何十時間も座りっぱなしになるため、かなりの苦痛に感じることでしょう。また、最近ではデジタルでマンガを描いていく作家も多いです。

パソコン画面に映し出されている絵の細かい部分まで見るため眼精疲労にも悩まされがちです。

でもやっぱりマンガを描くのは楽しい

ここまでマンガ家の数々の厳しい現実をご紹介してきましたが、マンガ家は自身の作品で人を楽しませることができる仕事です。

自分が思い描く世界観をマンガとして表現できるのは非常に魅力的で、表現者である故に作品を生み出す苦労も感じますが、完成し作品として手掛けた時の感動は何よりも嬉しい瞬間だと感じられるでしょう。

過酷な労働環境を強いられる時もありますが、やっぱりマンガを描くのは楽しいと続けているマンガ家は多くいます。

いかがでしたでしょうか?

予想以上に厳しい世界だと感じた人は多いのではないでしょうか?マンガ家はたくさんの人に娯楽という楽しみを届けるために、たくさんの苦労をしてマンガを世に届けています。デビューまでの厳しい道のりに編集者やアシスタントの連携、さらには1日に何十時間も働くといったように、労働環境を見るとブラックとも言わざるを得ないものに感じてしまうことでしょう。

しかし、マンガ家は作品として世に出した瞬間の感動は何物にも代えがたいものがあります。読者からメッセージを貰うことも多い職業である故に、たくさんの人を豊かにしている実感も沸くことでしょう。

裏には厳しい現実がありながら、それでも人気な職業として挙がる理由には、人々を豊かにするパワーがあるからなのです。