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「黒い雷神」のキャッチフレーズでおなじみの、ブラックサンダーというお菓子をご存知でしょうか?
体操の内村航平選手の好物としても有名になったチョコレート菓子です。
ブラックサンダーを製造しているのは、設立から60年以上の歴史を持つ有楽製菓です。

主力商品のブラックサンダーの売り上げも好調で、有楽製菓は著しく成長を遂げていますが、その強さはどこから来ているのでしょうか?
今回は有楽製菓が著しい成長を遂げた理由についてご紹介します。

有楽製菓の会社概要

有楽製菓株式会社は東京都小平市に本社を置く菓子の製造販売会社です。
昭和30年2月にウェハース製品の製造会社として事業を始め、昭和34年の法人化し有楽製菓株式会社となりました。

主な事業内容は菓子製造販売ですが、この他にも観光事業を行っています。
台湾とシンガポールの現地企業との合弁会社を持っており、海外でもブラックサンダーを発売しています。
主力商品はブラックサンダーですが、通信販売限定でクッキーやミルクチョコレートなども販売しているようです。

最初の頃は全く売れなかった…

今でこそ有楽製菓の主力商品となっているブラックサンダーですが、1994年に初めて発売された時の売り上げは芳しくなく、翌年の95年に一度終売しています。
売り上げは芳しくありませんでしたが、なぜか九州地方では評判が良かったという営業担当者の声を受けて96年に再販を開始しました。

その後、大学生協の商品として扱われたことを機に、大学生の間で口コミとなり次第に売り上げを伸ばしていきます。
ブラックサンダーのヒットを決定づけたのは、2008年に行われた北京オリンピックです。
体操の内村航平選手の好物だということが話題となり、売り上げを一気に伸ばしました。
こうして売り上げを伸ばしたブラックサンダーは成長を続け、今ではチョコレート菓子としてロングセラー商品となっています。

ブラックサンダーが人気になった背景には、商品を買ってもらう年齢層を絞るというポイントがありました。
元々は駄菓子屋に置いてあったブラックサンダーですが、大学生協での成功を受けて、「若者」にターゲットを絞り、3ヶ月で結果が出なければ即取引停止という条件のもとコンビニでの販売を開始しています。
この戦略が功を奏し、大手コンビニチェーン各社との契約、全国展開へとつながっていったのです。

ブラックサンダーのブランド力

有楽製菓の強みを説明する上で欠かせないのが、ブラックサンダーのブランド力ではないでしょうか?
マーケティングの共通の認識としてブランド力の重要さがあります。
有楽製菓のブランドといえばブラックサンダーでしょう。
そして、ブラックサンダーのブランド価値を確かなものにしていることが有楽製菓を成長させているポイントです。

発売から25年が経っているブラックサンダーは依然として人気商品で、有楽製菓のブランドです。
有楽製菓は変化しなくても飽きることがないものを作りたいというニュアンスの言葉を雑誌に掲載しています。
この言葉と同時にずっと身近にあって、ずっと美味しいものを提供したいと語っているのです。
この言葉には前置きがあり、多くの予算をつぎ込み大々的な広告宣伝を行えないのでコストを抑えていることが述べられています。

予算がなくても美味しいものを提供し続けられるのはブランド力があるためです。
ブラックサンダーには強いブランド力が備わっています。
ブラックサンダーのブランド力を確固たるものにしたのは、有楽製菓が行ったいくつかの工夫にあります。

パッケージを変えた

ブラックサンダーは発売当初のパッケージには「BLACK THUNDER」と英語表記でした。
この表記をカタカナに変えることで多くの商品が立ち並ぶコンビニでも目立つことができました。

品質を向上させた

実はブラックサンダーは発売当初よりも外側に使っているチョコレートの量を多くしていますが、価格を据え置いています。
パッケージに「パワーアップ」という文字が入っていますが、これはチョコレートの量を増やし、よりチョコレート感を高めたことを示しています。

派生商品

ブラックサンダーにはいくつかの派生商品がありますが、普通の派生商品とは違います。
通常チョコレートのバリエーションというとストロベリーや抹茶味というのが定番です。
ブラックサンダーの派生商品には「白いブラックサンダー」「柿の種サンダー」といった、消費者に驚きや少し頭を悩ませる商品が多いです。

これには有楽製菓が中小企業として製菓業界で生き残るためユニークなこと、面白いものをどんどん取り入れるという、強い精神の表れと言えるでしょう。

コンビニ以外の売り方

ブラックサンダーのターゲットはコンビニを利用する「若者」だが、多くの商品の中ではパッケージを変えて一瞬目立ってもすぐに目が慣れてしまいます。
そこで目を付けたのがバレンタインデーの「義理チョコ」です。

2014年に東京駅の中に「義理チョコショップ」を出店し、2016年には日本独自の文化であるバレンタインデーのお返しをするホワイトデーを対象に、「白黒つけない義理のお返しショップ」を展開しました。
こういった施設を展開することによって、コンビニ以外でも多くの人の目に触れる機会が増えました。

社長が誰よりも尖る

有楽製菓は過去のバレンタインシーズンのブラックサンダーに「一目で義理とわかるチョコ」や「ぶっち義理!」という尖っていて、ユニークなキャッチコピーを付けています。
この尖っていて、ユニークなキャッチコピーは有楽製菓の会議室で生まれます。
それも会議ではなく雑談の中から生まれました。

本来会議をすると最初は尖っていたアイディアも段々と丸く大人しい、無難なアイディアになってしまいます。
会議の場に社長が出席していれば、よりその傾向が強くなっていくのが普通です。
しかし、有楽製菓の河合辰信取締役社長は会議で誰よりもアホなことを言っていると述べています。

「社長は誰よりも尖った意見を言える」という自身の立場を存分に使い、社員と雑談をしながらアイディアを練っています。
丸く無難なものにするのではなく、尖った面白いアイディアにすることを意識し、多くの社員と共有することによってこのようなユニークなアイディアは生まれているようです。

有楽製菓はどんな人材を求めている?

有楽製菓の河合伴治代表取締役会長は、有楽製菓の社員として求める人材像に「ブラックサンダーより面白い人」という点を挙げています。
これは多くの商品があるお菓子市場の中で、商品の差別化を図るためには「美味しい」だけではなく、付随する何かが必要だという考えから来ています。

また、「面白い」や「新しい」という驚きで顧客の創造を超えることが有楽製菓の強みだと述べています。
そのためには型にはまらない、既存の枠からはみ出したような大胆な行動が取れる人を求めているようです。
河合辰信代表取締役社長は挑戦してほしいこととして、変化を「起こす」「楽しむ」ことを挙げています。

やはり競争が激しい製菓業界で生き残っていくために、新しいことへ挑戦する姿勢を大切にしています。

有楽製菓はブラックサンダーを海外展開し、今度の展望として売り上げ5年間で10億円を目指しています。
有楽製菓が急成長した背景には、主力商品であるブラックサンダーを会社が一丸となったユニークなアイディアで売り出し、ブランド力を確立したことにあるでしょう。

社長自ら面白いことをして、より面白いより面白いアイディアに昇華させる、みんなで「面白い」を共有することがユニークなアイディアを生むヒントになっています。
有楽製菓では新たな人材を求めているので、ぜひ興味がある方は応募してみましょう。