地方から都心へ移り住む人が増え続けている日本では、20年以上に渡って転入超過となっているほど、多くの人が都心暮らしをしていたり、憧れを抱いていたりします。
しかし、一方で増え続ける人口に思い悩みことから都心から地方へ移住したいと考えう人も増えてきているようです。ただ、そう考える多くの人はなかなか地方へ行く勇気が湧かずに二の足を踏んでしまっていると言われています。
ここでは、東京の若者が地方へ移住したいと考えている理由と、なかなか移住を実行することができない理由など数多くのことをご紹介していきます。移住を考えている人はぜひご覧ください。
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都市部出身者が地方に移りたいと思う理由
今、東京都出身・在住の20代の男性の2人に1人が地方への転職に興味を持っているとされています。
その理由については、生活費が安いという理由が最も多く占めていました。リーマンショック以降、日本経済は大きくどん底に追い込まれてしまい、安定した収入を得ることができなくなってしまった人は多くいます。
給料や賞与は減額、しまいには職を失うなど多くの問題を抱えてきました。そんな中で、経済が回復してきた現在、かつてよりも安定した生活が図られるようになり、様々なところでお金を消費する人も増えてきました。
しかし、都心になると誘惑が多いためか、なかなか貯蓄ができないといった若者が多くいるようです。職が安定しきってはいない20代や30代前半の人は、都心部の家賃や生活費を払っていくのだけでも精一杯という方も少なくありません。
地方暮らしでは家賃の安さ物価の安さから、その問題を解決できるのではないかを考える人が多いのです。また、都心部になると人口増加により通勤ラッシュ時が地方に比べて疲れてしまう傾向にあります。
毎日満員電車に乗って通勤するのを我慢しなければいけないのならば、地方に住んで穏やかな生活を送りたいと考えている人が増えてきているのです。これらの理由から移住を考える都心出身者は増加傾向にあります。
地方暮らしのメリットとは?なぜ移り住まないのか?
地方暮らしには都会暮らしにはないメリットが多くあります。
- 自然豊かで健康的になる
- 通勤ラッシュから解放される
- 生活費が安い
- 食べ物が新鮮かつ美味しい
- 子育てがしやすい
- 人との深いつながりができやすい
- 価値観が広がる
こんなにもメリットが多い地方暮らしですが、なぜ移住を決意することができずに思い悩んでしまうのでしょうか?
地方暮らしに踏み出せない人の声には、心配があるためになかなか勇気が出ないそうです。地方暮らしでよく挙げられる心配点は次のようなものがあります。
- 免許や車がないから移動手段ない
- 地方の習慣や人付き合いに馴染めるか分からない
- きちんとした職に就ける気がしない
- 転職後の給料面が不安
- 家族が一緒に付いてきてくれるかどうか分からない
- 子どもの教育制度が整っているかどうか心配
- 友達と疎遠になるのが不安など
メリットが多い反面、心配ごとも少なくなく、移住への決意を下すことができずにいる人がたくさんいる様子です。心配な点はどれも妥協できないからこそ、地方への移住のハードルを高めてしまっています。
都会暮らしの人を地方に呼び込むためには?
都心に向かう人が多い現在では、なかなかIターンをしてくれる人がいないため地方の会社は人手不足に悩んでいます。
近年では少子高齢化も進み、より働く人や担い手がいない現状となっています。そんな問題は、これからさらに高齢化が進み今よりも大きな問題となるため、早めに解決をするべきでしょう。
そのため、地方ではIターンを心待ちにしているところは多く、勤務先によってはIターン転職者の受け入れ対策を行っている企業もあります。
しかし、受け入れ対策をしている会社は残念ながら少なく、地方の全企業の1割にしか満たないとされています。都会からの転職者が安心して働ける環境になっていないのが現実であり、これからは地方企業の人材の集め方が人口減少問題を食い止める大きな鍵になってくるのではないでしょうか?
補助金や様々な制度の活用で地方暮らしの一歩を進めよう
政府は2019年度に東京23区から地方へ移住する人に対して補助金を配る制度を新たに設けるとしています。配られる金額は最大で300万円なので、都会よりも賃料が安い地方ではかなりの金額に感じられることでしょう。移住先で企業をした方は300万円、中小企業に就職した方は100万円の支給額を配布する予定です。
また、県によってはIターン就職希望者スカウト制度やIターン応援制度といった地域ごとに様々な転職をサポートする活動を行っています。
会社の情報提供に加えて相談をすることも可能となっているので、転職に不安を感じていたらぜひ相談をしてみましょう。また、中には住まいの支援を行ってくれる企業もあるので、より生活にかかる費用面の負担を軽くできます。
地方の人はどんな都会の人を持ち望んでいるのか?
今、多くの地方で地方創生が掲げられています。
そのため、都会から来た人に対してきちんと出迎えることを行い、地域の発展ができることを心待ちにしています。ただ、いくら人手不足な地方の企業でも、優秀な人材は欲しいと思っているものです。優秀な人材となると幅は広く、いかなることもできなければ採用すらされないと思ってしまうことでしょう。
しかし、地方ではそんなことはなく、就職希望者のほとんどが採用されています。そんな中で地方企業が欲しいと思っている人材は、「新しい発想とネットワークの構築ができる人」だそうです。
落ち着いた田舎では高齢者が多いためか、若者文化に影響されていなかったり、最新の技術を介入していなかったりする企業が多いです。若年層向けのサービスがないため、地方はなかなか若者を呼ぶことができません。
しかし、都会からやってくる人が新規開拓として新たなジャンルで活躍できる人であれば、人口減少を食い止めたり、若者が集まる場として活性化されることが見込まれるでしょう。
近年ではふるさと納税や、地方を舞台にしたアニメなど、今までにはあまり見ることができなかった事業が多く行われるようになってきました。今後も地方を盛り上げていくためには、地域の特色を生かして未来ある若者が新たな何かを生み出さなければいけないでしょう。
都会の生活が当たり前だと思っていた人は、地方の暮らしに驚いたり発見をしたりと、新たな事業開拓ができるだろうと大きく期待されています。
移住先はどこが人気なのか?
移住するなら、移住率が高い地域を選びたいと思う方は多いでしょう。近年、移住先として人気が高いのは長野県、静岡県、北海道、山梨県、新潟県などです。
特に長野県は住みたい移住先ランキングでどの年でも1位や2位を獲得するほど人気が高い地方です。その理由は移住の先輩がたくさんいることや、日本の中でも自然が豊富で美しい地域という評判が挙げられています。
また、自治体の支援が手厚くなっているのも理由で、住み心地の良さが期待できます。移住先を選ぶ際には、気候や風土、都心からの距離、食べ物、地域の制度など様々な観点から選んでいくと良いでしょう。
多くの人が地方に住んでみたいと考えてはいるものの、なかなか住めない原因には様々な心配事があるが故に移住を決断できない現状になっています。
しかし、地方はIターンを心待ちにしている人は多く、様々な制度で出迎えようと対策も行われています。今一度、地方のあり方を考えることで移住する勇気が湧いてくることでしょう。ぜひ、満足に暮らせる場所として地方移住を選択してみてはいかがでしょうか?