2019年は、働き方改革が推し進められていて、働きやすさを向上させようという動きが活発になっています。有給休暇を取得しやすくなったり、労働時間が短くなったりすれば、プライベートの時間を作りやすくなります。そのため、働きやすさは向上するでしょう。
しかし、現代人は働きやすさだけを求めているわけではないのです。現代人が求めているのは、「働き甲斐」です。今回は、現代人は「働き甲斐」になにを求めているのかご紹介していきましょう。
Contents
「働き甲斐」は組織の能力を高めるヒントになる
「働き甲斐」は、会社、自分自身に任せられた仕事、職場の仲間という3つの関係から生まれます。「働き甲斐」のある会社は、働く人は経営者や管理者を信頼することができる、自分自身の仕事に誇りを持つことができる、一緒に働く仲間と連帯感を持つことができるという3つをクリアしていることが多くなっています。
労働者という人的資源は、やる気になれば何倍もの成果を出すことができるため、「働き甲斐」のある会社作りをするということは企業にとっても重要なポイントになるのです。
仕事はある日突然何倍もの成果を出せるようになるわけではないので、社員を育てられるという社風も重要になります。つまり、「働き甲斐」はこれまでその会社が作り上げてきた文化の中で生まれるものだということなのです。そしてそれは、他の会社では真似ができないことでもあります。
社員は「働き甲斐」をどんな時に感じることができるのか
では、組織の能力を高めるヒントになる「働き甲斐」を感じるのはどのような時でしょうか?ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社が実施した英語力と専門スキルを活かして働く会社員を対象に「働きがい」を調査したアンケートの結果から、「働き甲斐」を感じるのはどのような時なのかを見ていきましょう。
【成長を実感できた時に「働き甲斐」を感じる】
ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社が実施したアンケートの中で「働き甲斐」を感じるのはどのような時か尋ねたところ、成長を実感できた時、高く評価してもらえた時、同僚や取引先に感謝してもらえた時が上位になっていました。
20代の回答の中では、成長を実感できた時への回答が9割程になっていたことから、成長したいという意欲が非常に強いということが分かります。また、上司から評価してもらうよりもどれだけ成果を出せたのかということを気にしているという傾向もうかがうことができます。
【仕事に対するモチベーションが上がるのはどんな時?】
成長を実感できた時に「働き甲斐」を感じると答えた人が多いアンケートの中には、報酬がアップする以外にモチベーションな上がるのはどんな時なのかという質問もありました。
この回答では、社会やビジネスに貢献できたと感じる時、新しくチャレンジすることや課題が見つかった時、昇進した時というものが多くなっています。
しかし、上司のグループと部下のグループでは、この質問に対する答えが違っています。上司のグループでは社会やビジネスに貢献できたと感じる時が最も多く、部下のグループでは新しくチャレンジすることや課題が見つかった時が最も多くなっていました。
これは、立場を色濃く映し出した結果だと言えるのではないでしょうか?
【研修やイベントはモチベーションアップにつながらない傾向】
会社によっては、社員のモチベーションを高めるために研修やイベントを行うことがあります。近年は人材不足が嘆かれることも多く、懸命に社員のモチベーションを高めようとする傾向もあるのです。
しかし、研修やイベントを支持する人は多くありません。このような取り組みはモチベーションを高めるために有効だと考えられてきましたが、現代人はそれを「働き甲斐」につなげることはできないということになります。
しかし、アワードの受賞といったレコグニションであればモチベーションが上がるという人が増えています。このことから、自分自身を評価してもらうことによってモチベーションが高まり、「働き甲斐」を見出すきっかけになるということが分かるでしょう。
「働き甲斐」のある会社はどの会社?
Great Place to Work Instituteが発表したアジア地域の2019年版「働きがいのある会社」ランキングから「働き甲斐」はどのような会社なのかを見ていきましょう。
このランキングは、2019年で5回目を迎えるランキングで、Great Place to Work Instituteが展開しているアジア8ヶ国にある1200社以上を調査したものになります。
それらの企業をグローバル企業部門と大企業部門(501人以上)、中小企業部門(20~500人)という3つの部門に分け、75社を選出しました。このランキングには、日本の企業もランクインしています。
グローバル企業部門では、DHLジャパンが1位、SAPジャパンが4位、マース ジャパン リミテッド・ロイヤルカナン ジャポンが5位となっていて、計8社が選出されました。大企業部門では、Plan・Do・Seeが5位、バリューマネジメントが13位、ディスコが22位となっています。中小企業部門では、アトラエが5位、サイボウズが17位、andfactoryが22位、GRITが24位という結果になりました。
このランキングは、調査に参加した企業の中で一定の水準を満たした企業をベストカンパニーに認定するという意味も持っています。アンケートの結果を分析することで、「働き甲斐」のある会社かどうかも知ることができるのです。
「働き甲斐」のある会社についてリアルな声も見てみる
最後に「働き甲斐」のある会社についてのリアルな声をご紹介しましょう。
売る商品がどれだけ顧客ニーズを叶えているかは錦の御旗のように働き手のモチベーションを上げる絶対要素だと思う 良い商品=顧客ニーズの解決力 →顧客からの感謝 →もっと役に立ちたい=働くモチベ高 #働くモチベーション #働きがい
接客業で「働き甲斐」を感じられるのは、顧客から感謝してもらえた時が最も大きいのではないでしょうか。さらに役立つためにはどうしたら良いのかも考えるようになるので、仕事自体のレベルも高まるはずです。
働きがいのある会社ランキング2位になった弊社の取り組み ・午後4時に消灯して全員昼寝! ・最長18日取れる「ドラゴンボール休暇」 ・社員が社長に何でも提案する「社長に文句を言う日」 ・社員同士で感謝し合うサンクスカード ・役職なしのフラットな組織 「遊ぶように働く」ことを通じて成長しよう
働きがいのある会社ランキングにランクインした会社はこのような取り組みを行っています。社員が不満を抱えることなく仕事ができ、「働き甲斐」を感じられるためにはこのように思い切った取り組みも必要になっていくのでしょう。
働く人が働きやすい環境を作る ワークライフバランスの実現 会社で働く一方、そんな活動をしてるけど 全国的に見てもこの活動に参画している団体(会社)は十数パーセントにしか満たない。 現にこの少数でも社会を動かす力を 持っている。 この輪を広げていけば働きがいのある 社会作りに繋がる。
「働き甲斐」のある会社を作るためには、ワークライフバランスも重要なポイントになるでしょう。そしてそんな会社が増えてい行けば、「働き甲斐」のある会社も必然的に増えていくのではないでしょうか。
現代人は、自分自身が成長できることが最も大きな「働き甲斐」につながるということになります。多くの会社が時代に合わせた「働き甲斐」を追求することができれば、多くの人が働きやすいと感じられることでしょう。