本来の目的とズレてる?!採用面接の落とし穴と今後の課題について
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皆さんは、採用面接の本来の目的を知っていますか?多くの人が、採用する人を決めるための試験のようなものだと思っているのではないでしょうか?確かに、本質はそこにあります。しかし、現在の日本の面接は非効率的だと言われることが少なくありません。

今回は、そんな採用面接が持つ落とし穴と今後どのように変化していかなければいけないのか、考察していきましょう。

 

日本で行われている面接は精度が低い

日本の採用面接では、フリートーク面接を行うことが多くなっています。しかし、フリートーク面接は具体的な評価基準を設けることができません。

なぜなら、面接官によって質問する内容が異なり、その回答をどう評価するかもバラバラになってしまうからです。そのため、公正で的確な判断を行うことはできないため、採用面接としての制度はかなり低いということになるでしょう。

それだけではなく、アメリカで行われた研究で適性検査やグループディスカッション、ワークサンプル、面接などの選考の結果や入社してからの評価を比較したところ、面接の妥当性が一番低いということも分かりました。

かつては面接時に難問や奇問を出すとして知られていたGoogle社でも、面接で得た得点と入社後の成果には因果関係がないとして面接を廃止しています。

 

採用面接で不利になってしまう学生も…

採用面接の目的は多くの場合、多様性のある人材の確保を掲げています。多様性のある人材というのは、性別や学歴、人種、価値観などに捉われることがないということを意味しています。

しかし、面接においては同じようなベクトルを持っている人が選ばれる傾向が強く、多様性は皆無に等しいという状況になっているのです。このような状況になると、口べたでコミュニケーションは苦手だと思っている学生は非常に不利になってしまうでしょう。

面接においては、外交的で情緒が安定していそうな人材を高く評価し、採用するというケースの方が多いのが実情なので、口べたな学生が不利だというのは確かです。

確かに、営業職などには口べたな人よりもコミュニケーション能力が優れている人材の方が向いています。しかし、経理や総務などオフィスで働くような職種やクリエイティブな職種、研究系の職種などは、内向的でオタク気質な人の方が向いている傾向があります。

このことから、必ずしも面接で上手く話せる人だけを採用するのが良いというわけではないのです。このようなことを踏まえて考えてみると、採用面接は本来の目的からズレていると言えるでしょう。

また、多くの会社は面接の結果を重視するのではなく、人物を重視するという方針を掲げています。しかし実際は、面接の結果だけを重視しているという傾向があります。

なぜそのようになってしまうのかというと、面接自体の妥当性が低いからです。もしも本当に人物を重視した採用活動を行いたいのであれば、その職種に適した採用活動を行わなければいけません。

 

なぜ日本で面接がなくならないのか?

面接にはデメリットがたくさんあるように説明してきましたが、それでもなお面接がなくならないのはどうしてなのかを考えてみることにしましょう。

面接がなくならないのは、採用側の会社だけではなく、採用試験を受ける側にも理由があります。どのような理由があるのか想像できるという人はどのくらいいるでしょうか?その理由というのは、面接をする会社側の人を裁きたいという願望、そして採用試験を受ける側の人に裁かれたいという願望があるからだと言われています。

このような願望を持っているため、面接よりも妥当性が高い採用方法があったとしても、面接を選んでしまうのです。このような理由があることから、面接は簡単になくなることはないと考えられます。

会社にとって、これまで当たり前だった面接を排除した採用を行うというのは非常に勇気が必要になります。そのため、割り切れる会社が増えていかない限り、面接がなくなることはないでしょう。

 

面接に代わる妥当な選考方法はあるのか?

採用面接の精度や妥当性が低いのであれば、どのような選考を行えばよいのでしょうか?

選考後にもしっかりと力を発揮できる人材を確保するためには、ワークサンプルという選考方法が最も精度が高いと言われています。ワークサンプルは、実際に仕事をやってもらうことで作業の成績を評価するというものです。

出版社の場合は編集作業をやってもらったり、プログラミング系の会社では実際の成果物を披露してもらったりという方法で選考を進めていきます。

専門的な職種であれば、このような選考を行った方が効率良く人材を確保できます。なぜかというと、ただ面接をするよりも適正があるかどうかを見極めやすくなるからです。

ワークサンプルという選考方法は、時間や人員が必要になります。そのため、日本においてはまだまだ一般的にはなっていません。

しかし、面接を受けている人がどのような働きをするのかを面接だけで見極めることは非常に難しいため、このような方法を選択できるように視野を広げることもこれからは重要になってくると考えられます。採用試験が持つ本来の目的を達成するためには、このような変化をしていかなければ日本の企業が変わっていく可能性は極めて低いと言えるでしょう。

 

これから会社が乗り越えなければいけない壁がある

人材の採用を行う中で面接の精度を問題視した時に、面接ではなくAIを活用するケースが増えていくことも予想されます。しかし、それにも問題点があると言われています。

その問題点というのは、データが不完全だということ、多様性や創造性が欠如してしまうということ、倫理的に問題があるということです。データが不完全だということについては、パフォーマンスの高いデータを得ようとすると何年もの時間がかかり、スタートしたばかりの頃は不完全なデータで採用を行わなければいけないということを意味します。

多様性や創造性が欠如してしまうということは、データを活用することで画一的な集団になってしまい、多様性や創造性が欠如してしまうのではないかという懸念です。

倫理的に問題があるということは、AIが判定を行うことに不満を抱く学生が現れたり、人事担当者の責任がないような判断になってしまう可能性があるということを意味しています。

採用試験において、超えなければいけない壁はとても高いと言えます。しかし、これからの時代にはとても重要になるのではないかと考えられるでしょう。採用活動を行う会社自体がどのような人材を飲んでいるのかによっても採用方法は変わってきますが、どの会社も知っておいて損はないはずです。

採用面接は、本来の目的から随分とズレていることを知っていただけたでしょうか?採用試験における面接は、私たち日本人にとって当たり前だと思われがちです。しかしそれは、世界的に見ると当たり前ではないのです。

また、面接の精度は他の採用試験と比べると低くなっているということも知らない人が多いはずです。このような実情を知ると、就職活動への見方も変化するのではないでしょうか?

もしも自分自身の能力を活かせる会社で働きたいと思っているのであれば、どのような採用試験を行っているかもチェックしてみると良いでしょう。そうすることで、能力をしっかりと見てもらえるのかどうかも把握できます。自分自身が納得できるような採用試験に挑み、望んでいる未来を手に入れましょう。