再生可能エネルギーを用いたソーシャルレンディング「ソーラーシェアリング」に注目!
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再生可能エネルギーを活用した投資をスタートしようと考えている方の中には、「ソーラーシェアリング」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、再生可能エネルギーを活用した投資の中でも注目を集めている、ソーラーシェアリングというソーシャルレンディングについてご紹介します。
再生可能エネルギーに興味があるという方は、ぜひ参考にしてみてください。

■ソーラーシェアリングとはどのような投資なのか

ソーラーシェアリングとは、営農型太陽光発電と呼ばれる太陽光発電です。
これは、農地に太陽光発電の設備を設置し、農業収入と売電収入を得るというものになります。
日本国内には耕作放棄地もあるので、そのような場所に太陽光発電の設備を設置することが多いのですが、そうではない場所にも設置されるケースがあるということです。
ソーラーシェアリングの場合は、所有している農地を有効活用したいという方に特におすすめの方法だと言えるでしょう。
なぜなら、農業だけでは安定しにくい収益を安定化させられるためです。

ソーラーシェアリングによる収益は、10㎡あたり0.5KWの発電ができると言われており、1,000㎡程度の土地があれば諸経費を差し引いても毎月およそ10万円の売電収入が見込めます。
どのくらいの収入を見込めるのかというシミュレーションをしてみると、ソーラーシェアリングに投資をした時の利益を把握できるでしょう。
ただし、細かな算出方法はソーラーシェアリングを提供している業者によって異なるため、きちんと説明を受けるようにしてください。

■農地に太陽光発電の設備を設置するためには

知らないという人も多いのではないかと思いますが、土地は農地や宅地などに分類されるので、それぞれの用途は制限されています。
また、農地を守るための 「農地法」という法律もあり、農地にはビニールハウスなど農業用の建物しか建てられないことになっているのです。
もしも、許可なく他の用途で使用した場合は、3年以下の懲役または300万円の罰金が課せられてしまうということを覚えておきましょう。
さらに、都道府県知事から現状回復や工事の中止も命じられ、これに従わない場合は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。
このような処罰を受けずに太陽光発電の設備を設置するには、一時転用許可を申請しなければいけません。
宅地にソーラーパネルを敷き詰めるのであれば一時転用許可を申請する必要はありませんが、ソーラーシェアリングを行うのであれば宅地を農地に変更してから、一時転用許可を申請するという手順を踏む必要があります。

しかし、宅地を農地に変更することのデメリットも覚えておかなければいけません。
そのデメリットというのは、農地にすることで資産価値が著しく減少してしまうということ、農地にした土地を宅地に変更することは難しいということです。
場合によっては、農地から宅地への変更を一定期間できなくなってしまう可能性もあるので、注意点として頭に入れておいた方が良いでしょう。

また、一時転用許可はその土地がある自治体の農業委員会で申請できます。
営農型発電設備の設計図や営農計画書、既に営農型発電設備の設置に取り組んでいる方の事例、 営農型発電設備の設置者に関する書類を用意しなければいけないので、早めに準備を進めるようにしましょう。
自治体によっては必要な書類などに違いがある可能性もあるので、書類を作成する前に各自治体の農業委員会に確認しておくことも重要なポイントになります。

■一時転用許可とは?

先ほどから「一時転用許可」という言葉を使っていますが、具体的にどのようなものを一時転用許可というのでしょうか?
ここでは一時転用許可について詳しく説明していきます。
一時転用許可というのは、農業経営の改善を期待して取り入れられている制度のことで、農林水産省も認めているものです。
3つの条件を満たすことによって、申請が認められます。
では、どのような条件が定めらているのかを見ていきましょう。

【一時転用許可の期間は3年】

一時転用許可は、3年という期間がベースになっています。
基本的には再許可もできますが、太陽光発電の設備を導入したことによって農業収入が減少してしまった場合は再許可が認められない可能性もあります。
太陽光発電の設備を導入したことによって、農作物の収穫量や品質に影響が出てしまってはソーラーシェアリングの意味がなくなってしまうので、計画は慎重に立てなければいけません。

【周りの農作物生産に影響がないかを確認する】

ソーラーシェアリングは、農地法を守ることが大前提になっています。
そのため、周りの農作物生産に影響がないことや農業機械が使える高さになっていることなどをしっかりと確認しなければいけません。
もしも周りへの影響が大きかったり、農業機械が入れないような高さになっているのであれば、計画を立て直さなければいけなくなるので注意しましょう。

【1年に1度の報告義務を怠らない】

一時転用許可は3年かの許可期間がありますが、1年に1度報告をしなければいけないという義務があります。
この報告の中では、農産物の生産に支障が出ていないか、周りの農地への影響は出ていないかなどを報告することが定められています。
きちんとソーラーシェアリングが運用されているかを確認するための報告なので、怠らないようにしなければいけません。

もしも、ソーラーシェアリングを行う時にこれらの条件を守れなかった場合、一時転用許可を取り消されてしまう可能性があります。
もしも許可を取り消されてしまうと、太陽光発電の設備を撤去し、元の状態に復元しなければいけなくなります。

■ソーラーシェアリングにかかる費用や面積について

ソーラーシェアリングにかかる費用は、育てている農作物によっても変わります。
もしも50KWくらいの発電量の設備で30%前後の遮光量にするのであれば、およそ1,000㎡~1,300㎡の農地が必要です。
その時に必要になる費用は、平均で1,500万円くらいになると考えられます。
もちろん太陽光発電の設備を設置する場所や高さ、ソーラーパネルの種類などによってその費用は大きく変動する可能性があるということは覚えておかなければいけません。
それだけではなく、各種保険やメンテナンスといった付随する契約の内容によっても費用は変動します。
どのくらいの費用がかかるのか、予算はどのくらいなのかということも踏まえた上で、設置する業者と相談をするようにしましょう。

ソーラーシェアリングに必要な面積は、どのくらいの量を発電したいのかによって変わってきます。
実際の事例では、770㎡の農地に58KWの太陽光発設備を設置し1年間で250万円~300万円の売電収入を想定したもの、750㎡の農地に34.8KWの太陽光発設備を設置し1年間で151万2,000円の売電収入を想定したものなどがあります。
ソーラーシェアリングを導入するのであれば、このような実際の事例を参考にして、どのくらいの農地でのくらいの発電設備を設置すべきなのかを検討してみると良いでしょう。

■ソーラーシェアリングを始める時に注意したいポイント

再生可能エネルギーを活用した発電の1つであるソーラーシェアリングは、大きな利益を想定することができますが、投資にかかる費用もかなり大きくなります。
場合によっては、農作業の作業効率が下がってしまう可能性もあります。
その他にも、ソーラーシェアリングならではの注意したいポイントがあります。
最後に、ソーラーシェアリングを始める時に注意したいポイントについてご紹介しましょう。

【資金調達が難しい可能性がある】

ソーラーシェアリングは、他の再生可能エネルギー投資に対する融資と比較した時に、融資が通りにくいという特徴があります。
なぜ融資が通りにくいのかを見ていきましょう。
1つ目の理由は、一時転用許可の継続が不確定だからです。
3年ごとの更新はありますが、1年ごとの報告義務の中でふさわしくないとされてしまうと継続ができなくなります。
つまり、ソーラーシェアリングの期間がいつまでという明確な保証がないため、融資をしても返済してもらえるか分からないため融資が通りにくいということになるのでしょう。

2つ目の理由は、通常の太陽光発電と比べると利回りが低くなってしまうからです。
通常の太陽光発電と比べてみると、ソーラーシェアリングの方が資材費が高くなります。
そのため、初期投資の金額が必然的に大きくなるということです。
初期投資の金額が大きくなれば、利回りは低下するということになります。
この利回りの低下も、融資を受けにくくする要因になってしまうでしょう。

融資の実績は多い金融機関は日本政策金融公庫です。
しかし、日本政策金融公庫は審査に時間がかかる傾向があるので、地方銀行にも合わせて相談をしてみると良いでしょう。
ソーラーシェアリングだからと言って絶対に融資をしてもらえないというわけではないので、相談する前から諦めないようにしてください。

【ソーラーシェアリングで失敗しないためには】

ソーラーシェアリングで失敗しないためには、ソーラーシェアリングを導入することで自分自身が持つ課題の解決につながるのか、ソーラーシェアリングのために農業を始めようとしていないかということを振り返る必要があります。
ソーラーシェアリングは注目されている投資の1つですが、まだまだデータもそれほど多くありません。
そのため、しっかりと情報を集めてからスタートさせた方が良いということになるでしょう。

ソーラーシェアリングは、これからさらに注目を集めると予想される投資の1つです。
農業をしている方の中で再生可能エネルギー投資を行いたいと思っている方がいたら、ソーラーシェアリングの導入を検討してみると良いでしょう。
そうすることで、さらに大きな収入を得られる可能性が高くなります。